2025年7月28日(月)に発信いたしましたプレスリリース「TIME誌にエクソル 代表取締役社長 鈴木伸一のインタビュー掲載―『持続可能な社会の実現に取り組む日本の企業』として紹介―」にて、2025年7月28日発行の国際誌「TIME」誌アジア版に掲載されたことをお知らせしました。
この度の掲載記事では誌面の都合上、インタビュー全容の掲載がかないませんでしたが、インタビュー元から取材内容の公開・掲載許可をいただきました。
つきましては、以下に取材内容の全容およびXSOLUTION紹介記事の日本語版を掲載しますので、ぜひご覧ください。
インタビュー記事(Putting the Planet First)取材内容全容 / XSOLUTION紹介記事日本語版(Power to the People)
インタビュー記事(Putting the Planet First)取材内容全容
【記者質問1】
20世紀を通じて、日本の企業はロボット、鉄道、カメラ、自動車といった分野で、ものづくりやこだわりといった伝統哲学に裏打ちされた精密工学によって世界的な評価を築いてきました。
現在、中国やインド、東南アジアの競合産業が台頭する中で、日本への注目は2025年の大阪万博に集まっています。このイベントは、日本が今も世界において競争力を持ち続けていることを示す機会です。
円安の進行により、輸出が海外のパートナーにとってさらに魅力的になっている今、日本企業が他国と異なる点はどこだとお考えですか?
【鈴木回答】
私自身も、日本が世界で優位に立てる理由について常に考えています。日本の技術力は現在もなお素晴らしく、グローバル社会において通用しています。一方で、海外と日本のあるべきビジネススタイルに本質的な違いはないとも感じます。多くの日本企業は長い歴史を持ち、グローバル市場において多方面において大きな影響力を発揮しています。
もちろん、日本だけではなくアメリカや他の国にも優れたリーダーに導かれた企業は数多く存在していると感じています。
ですが、日本の場合は、天然資源に乏しく、かつてのアメリカのような「開拓者精神」といった考え方が他国ほど強くないにもかかわらず、長年にわたり「独自性のある注目すべき国」として世界から関心を集めてきました。
その理由の一つとして、歴史的に明治維新以来の日本の創業者・経営者たちが非常に強い「利他」の志と意志を持っていたという点が挙げられます。もし成功の鍵が資源保有等の物理的・物質的条件だけであるならば、中国は国土の大きさから、もっと早く世界の主役となっていたはずです。しかし実際には、日本や韓国が先に発展を遂げました。
アメリカでは、GMやGEのような伝統的な企業から、GAFAやTeslaのような新興企業への移行が急速に進んでいます。しかし、現在、日本では、その移行は非常に緩やかであり、今の大手企業のリーダーたちは将来に対する施策や成果が見られないにもかかわらず長期間・一定期間にわたってその地位にとどまることが少なくありません。その結果、経営陣は挑戦よりも安定を重視し、極めて保守的な姿勢を取る傾向があります。こうした自己保身的なアプローチは、変化のスピードが速く柔軟性が求められるグローバルビジネスの環境では、発展・進化という点で十分に機能しないことが多いのです。
だからこそ、私たちのような中小企業が、変化への柔軟な対応力やスピード感を強みに、経済の活性化において着実な役割を担っていると自負しています。
【記者質問2】
2011年の東日本大震災以降、日本のエネルギー構造は原子力への依存度が減り、大きく変化しました。世界的には、需要の平準化のために蓄電池(例:Teslaのメガパック)の活用が進んでいます。
また、日本でも2021年以降、環境省が企業に対し、太陽光発電の導入支援を行っています。現在の日本の太陽光業界のトレンドについて、どのようにお考えでしょうか?
【鈴木回答】
日本では、大手企業が短期的なリスクやステイクホルダーからの経営陣への表面的評価の悪化を回避するために太陽光発電事業から撤退しており、その空白を私たちのような中小企業が埋めています。現在、理事会社を務めている業界団体においても、業界団体からの要請を受けエクソルが理事会社として就任しています。政府と大手企業との連携も一部で見直しの動きがみられる中で、政策形成の現場では実態に精通している中小企業の意見や役割がこれまで以上に重要視されています。
そうした背景から、FIT(固定価格買取制度)やFIP(市場連動型の補助制度)のような施策は、今後は限定的な役割にとどまると考えており、実際、私たちのビジネスにおいても、現在の売り上げの大部分はFITやFIPに依存しない、いわゆる「Non-FIT型」の取り組みによって支えられています。また、経済産業省もこれらの制度をあくまで過渡期の措置として捉えています。
日本は国土が狭いため、太陽光発電に必要なスペースの確保が課題です。しかし私たちの推計では、既存の屋根面積だけで、国内の年間エネルギー需要をまかなえる可能性があると考えています。
ただし、近年の課題としては、太陽光発電に対して地域の住民等から否定的な印象を持たれ、設置に反対するケースも見受けられます。
その背景には、FIT制度が始まった当初、一部でお金儲けの手段として太陽光発電が導入され、安全性や耐久性に課題があったことが挙げられます。コストや利益重視の風潮から、安全性や品質への配慮が十分でなかった時期があったのは事実です。
現在では、技術的には大きく進歩しており、安全性や性能面でも十分な基準を満たしていますが、依然として過去の印象が一般の方々に残っていることが、太陽光発電への抵抗感につながっていると感じています。
このような課題を払拭するためには、過去のものを含め製品の品質・安全性・耐久性をしっかりと確保し、事業者や業界自身がその姿勢と行動を社会に向けて継続的に示していくことが求められると感じています。
【記者質問3】
エクソルは、住宅用から大規模産業用まで多岐にわたる太陽光製品とサービスを展開しています。
たとえば、オリジナルブランド「VOLTURBO」やソーラーカーポート、蓄電池、メンテナンスサービスなどです。大学キャンパスやソーラーファームなど、多様な分野で展開されていますが、今後注力されたい分野はどこですか?
【鈴木回答】
日本はエネルギーの観点で非常に脆弱な国です。そのため、安定的なエネルギー供給の確保が重要です。民間企業と地域住民の皆さまとの間には摩擦もありますが、国内外の強力な技術を導入し、より小型で高効率な太陽光パネルを日本の狭い屋根にも設置できるようにしています。また、光の反射を抑えた太陽光パネルも開発しており、地域住民の皆さまへの配慮も進めています。
まだまだ日本では、太陽光発電の導入が「急速に拡大し普及する可能性」があると考えています。一定の広がりを見せている一方で、社会全体にとっては「当たり前」として定着しているとは言い切れない状態にあります。それは、FIT制度が始まった当初一部で、「利益追求型」の導入事例があったことが、社会全体の理解を妨げてきた要因かもしれません。
私たちは、営利目的にとどまらず、「利他」を最重要目的・理念として、社会的な責任として主体的にこの事業に取り組むことで、そうした障壁を取り除けると考えています。そのためにも、継続的に正しい情報発信を行い、太陽光発電の価値を伝え続けています。
また、市場の健全な発展のためには、単なる設備の提供にとどまらず、「ワンストップソリューション」として、最初(入口)から最後(出口)まで太陽光発電所の運用を一貫して支える体制と責任・使命遂行が重要であると考えています。
【記者質問4】
エクソルは2001年に三菱電機のシステム卸売業として設立され、現在では千葉・京都に複数の大規模発電所を持つ日本有数の太陽光エネルギー企業へと成長されました。近年では、上海を拠点とした海外事業も展開されています。
今後、国際展開についてはどのようにお考えですか?
【鈴木回答】
すぐに海外へと事業を拡大する予定はありませんが、発信力・影響力・戦闘力・品質を国際的にも最大限に高める努力を続けていきます。私たちのような中小企業でも業界に大きな影響力を持つことができるということを示し、事業活動を通じて社会貢献も強力に進めていきたいと考えています。
XSOLUTION紹介記事日本語版(Power to the People)
エネルギー供給の不確実性が高まる今、世界は安定的かつ持続可能なエネルギー源へと舵を切っています。日本でも、化石燃料や原子力依存度の低下を背景に太陽光発電の導入が急激に進んでおり、この変革期の最前線にいるのが、太陽光発電の総合企業であり、業界を牽引するエクソルです。
エクソルは2030年までに最大250GW※¹(エネルギー自給率50%以上)の導入を予測しており、これは、国内総エネルギー供給のほぼ4分の1に相当します。
代表の鈴木伸一氏は、「XSOLは単なる設備提供にとどまらず、最初(入口)から最後(出口)まで太陽光発電所の運用を一貫して支えるワンストップソリューションにより、導入を支援します。」と語りました。
また、同社が掲げる事業理念“XSOLUTION”は、太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーの使命として「化石燃料需要の極小化・適正化」による、「国際紛争の撲滅」「分散化独立自給エネルギーの拡大によるエネルギー・セキュリティと災害対策(レジリエンス)の強化」「温暖化対策にとどまらない抜本的地球環境の改善」の3つを掲げるものです。
鈴木氏は「これらの地球が抱える問題は『“拝金主義”に姿を変えてしまった末期的資本主義』、その根底にある『自分さえよければいい、という思い』『人類のエゴ』という名の、地球に巣食う悪想念にあります。このような状況を乗り越えるためには一致団結・統合して『成果』を目指す『UNIFICATION』、『利他』と『共創』の発想と行動が必要です。
私たちXSOLも、利他の精神を中核的な思想とし、中小企業でも業界に大きな影響を与えられることを示し、事業活動を通じた社会貢献を強力に進めていきたい。」と締めくくり、その言葉には、企業の枠を超えた強い志が込められていた。
※1:エクソルが独自試算した値です。(自家消費型含む・DCベース)