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ニュース 東京都 太陽光発電の住宅への設置義務化に関する
パブリックコメントの提出について
2022年6月28日 お知らせ

東京都 太陽光発電の住宅への設置義務化に関する
パブリックコメントの提出について

この度の東京都による「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例(環境確保条例)」の改正、いわゆる「太陽光発電の住宅への設置義務化」について、2022年5月25日(水)~6月24日(金)まで、東京都ホームページにて様々な方からの意見を募集する、パブリックコメントの募集が行われていました。

私たちエクソルは、この制度に賛成する意志を示すために、パブリックコメントを投稿いたしました。

様々な方からの今回の制度に対するご意見や疑問などにもお答えする内容となっておりますので、ここに公開し、一人でも多くの皆様の誤解を解き、この制度の意義をご理解いただきたいと存じます。


エクソルによるパブリックコメント投稿内容の概要

住宅等の一定の中小新築建物への太陽光発電設備の設置等を義務付ける新たな制度の創設について「賛同」します。

以下、多くの皆様からのご意見や疑問に対する回答と、私たちのエクソルの考えをお伝えします。

意見:太陽光パネルのほとんどは輸入品であり、輸入品の普及を無理に推し進める政策は国益に反する

確かに「太陽光パネル」はほとんどが輸入品です。しかし、住宅用太陽光発電設備の価格における太陽光パネルの構成比率はメーカーによって異なりますが約30%です。太陽光発電設備の構成(太陽光パネル・パワーコンディショナ・架台・蓄電池・工事など)で考えた場合、国内で生産している部材も多く存在します

太陽光発電設備全体では輸入品である太陽光パネルは一部のみにも関わらず、太陽光発電ビジネスを推進することを否定するのは、国内産業を潰してしまうことにもなりかねません。

 

意見:太陽光バブルで一部の業者だけが不当に利益を得たように、太陽光発電は格差を助長する

今回の住宅用太陽光発電は設置者だけが利益を得て、その他の方に負担を強いるようなものではありません。1件あたりの規模が大きいメガソーラービジネスとは異なります。

確かに普及を焦りすぎた制度によりメガソーラーのバブルが引き起こされ、再エネ賦課金増加による電気代上昇を招いたのは事実です。しかし、技術革新や業界努力の結果であるシステム価格の低下や、固定価格買取制度(FIT)による売電価格も、制度開始当初の42/kWh(住宅用)から、今年度は17/kWhまで下落しており、不公平感のあった制度も現状では改善されています。

今後は太陽光発電の安全性確保と、地域において必要不可欠なエネルギーとして貢献すべく、太陽光発電業界全体で取り組む必要があると考えています。

 

意見:太陽光発電自体が良くないので、もちろん住宅の屋根載せはダメ

太陽光発電が良くないというのが国民への負担である賦課金のことを指しているのであれば、住宅用太陽光発電に係る賦課金は全体の約13%にすぎません。

2020年度においては売電価格の下落と自家消費型太陽光発電の広がりにより、新規設置の産業・住宅太陽光発電に起因する賦課金への新たな上乗せは極めて少額であり、具体的な上昇幅は0.38/kWhとほぼ0円に等しい状況です。

 

意見:住宅屋根載せだって、どうせパネルは輸入品ではないか

日本はかつて太陽光発電世界一であり、今でも太陽光パネルの国内生産を続けている日本企業はあります。「国産太陽光発電設備」の選択肢はまだ残されています。

また、国産技術による次世代型太陽電池も存在しており、因果関係が明確ではない理由によって太陽光発電の需要を減らすことで、国産太陽光発電設備の選択肢や次世代型太陽電池の芽まで摘み取るべきではありません。

 

意見:太陽光パネルは国産でもセルは全部輸入品であり、セル製造に関わるウイグルの人権問題もある

人権を侵害する行いは決して許されませんが、ウイグルの人権問題とセルの輸入問題はイコールではありません。

ウイグルの人権問題に関しては、ウイグル産のセルの輸入を全てストップして現地での製造を中止に追い込んだとしても、残念ながらまた別の何かに置き換わるだけで、根本的な部分が変わらなければ解決にはつながりません。

 

意見:家は個人の財産であり、自分好みにするもの。なぜ東京都に太陽光発電を押し付けられるのか

今回議論されている「義務化」は「特定規模以上のハウスメーカー様に対して、一定量の太陽光発電設置を義務化」するものであり、「今後建てられるすべての家のお施主様に対して、どのような事情があろうと太陽光発電設置を強制」するものではありません。

また、国が政策として再生可能エネルギー導入量の底上げを目標として掲げられており、目標に対して各自治体が対応していくことは当然の流れと言えます。

 

意見:新築住宅の価格が上昇し、住宅購入者の負担になる

確かにハウスメーカー様のコストは上昇しますが、住宅に占める太陽光発電のコストは大きくなく、各ハウスメーカー様がお施主様の負担にならないよう努力をされていると聞き及んでいます。

もし価格が上昇した場合、60200万円前後と考えられますが、弊社試算は以下の通りです。

〇イニシャルコスト
 約20万円/KW×4KW=約80万円
 都の補助金を活用した場合
 約80万円-30万円=約50万円

〇経済メリット
 年間約8.8万円
 20年間住み続けると仮定する
 約8.8万円×20年間=約176万円

導入メリットはイニシャルコストの約3倍あります。さらに、昨今は0円設置のようなイニシャルコストの負担が掛からない設置方法もあります。

 

意見:東京はアメリカやヨーロッパと比べて晴れの日が多くなく、単純比較をしてはいけない

地域毎の天候のみで単純比較をするのは適正ではありませんが、再エネ大国として有名なドイツは日射量が比較的低いというデータがあります(ベルリン:211W/㎡、東京:314W/)。東京の日射は冬も含めて通年で安定しており、実は自家消費優先の屋根載せには向いているため、これを活用しない手はないと考えます。

また、「東京都が示す太陽光発電のコスパ試算は信用できない、本当に発電するのか」というご意見もありますが、疑わしいことは無く、きちんと発電します。もちろん、影や障害物の影響が出る箇所はありますが、改めて申し上げると今回の「義務化」は「強制」ではなく、影や障害物など日射を妨げる原因の多い建物にも必ず設置されるということはあり得ません。

東京都だけでも約6,000戸(2020年度)に住宅用太陽光が設置されています。その膨大な実績データがシミュレーションの確かさを物語っているかと考えます。

 

意見:政府が節電要請を行うのは、過度な脱炭素政策のせいだ

これは事実と異なります。

政府は2011~15年の間、夏季冬季の需要拡大期間に節電要請を行っていましたが、太陽光発電の普及や、一部原子力発電所が再稼働して供給量が増えたことで、以降は要請されませんでした。

この度の節電要請は、太陽光発電のように一度設置したら燃料費ゼロでどんどん発電できる再エネの電気が増加する一方で、燃料費がかさむ火力発電の採算がとれなくなり休廃止が増えていること。さらに、ロシア軍の進行によりエネルギー情勢が一変して燃料の安定調達を確保できないリスクが高まっているため、というのが実態です。

冷房が一番必要なのは、晴れた夏の昼間です。その時間帯は太陽光発電が十分に発電しているので、エアコンも気にせず動かすことができ、相性は最高です。

 

意見:廃棄問題として、将来的に発生する大量の太陽光パネルの産業廃棄物を処理できるのか

一斉に廃棄されると問題ですが、太陽光パネルが廃棄されるタイミングは、各個人の事情、太陽光パネルの耐用年数等によって異なります。そのため一斉に廃棄されることはなく、ピークは発生しないと予測されています。

なお、平成30年度における東京都の産業廃棄物の処理量総計は26,560千トンです。その値に対し、太陽光発電設備による産業廃棄物排出量の見込みは2030年で1,500トン、2050年で2,700トンです。これは、平成30年度の処理量総計の僅か0.01%以下であり、十分処理ができるボリュームとなっています。

 

まとめ

今回の「義務化」は、お施主様、ひいては国民の皆様に対して大きな負担を強いる政策ではありません。

再生可能エネルギーは、ロシア軍によるウクライナ侵攻を発端としたエネルギーに関する問題でさらに注目度が上がっており、世界で推進されている化石燃料依存からの脱却を無理なく、そして確実に推進するものであると考えます。

東京都においては「住宅等の新築建物への太陽光発電設備の設置等を義務付ける新たな制度」を率先して創設すべきと考えます。